(研修の話題から2)複相的育児から単相的な育児へ
公開日: 2015-12-23
・・・22日のブログの続きです・・・
22日のブログに書かれた川柳の中の江戸時代の長屋では、下図Aのような保育がなされているといえます。これを複相的保育と呼ぶそうで、この場合子どもに関わる人間が10人いれば45通りの家族関係が成立することになり、それだけ多様な子育て支援の輪が生まれることになります。
一方、核家族化が進み、地域社会とのつながりが希薄な現代においては、上図Bのように単相的保育の家族関係になっています。しかも、もしお父さんが長時間労働を強いられ、育児に参加できない場合には、複相的保育に比べ、母親の子育てへの負担や不安、孤立感は大変大きなものになってしまいます。また、この父親不在の母子間のみの関係には、好ましくない主従関係が生まれてしまう危険性があります。これが虐待やネグレクトの要因の1つになっているとも考えられています。また離婚などにより母子家庭になった場合には貧困の問題が出てきます。
従って、
- 保護者が子育てについての第一義的責任を持つことを前提としつつも、
- 地域や社会が保護者に寄り添い、
- 子育てへの不安や負担、孤立感を和らげ、
- 保護者が自己肯定感を持ちながら子どもと向き合える環境を整え、
- 親としての成長を支援し、
- 子育てに喜びや生きがいを感じられるよう
支援していくことは、社会全体の果たすべき責任の1つと言えます。
そして今、0歳時から子どもを預けられる保育所に子育て支援への大きな期待がかけられている訳です。
では、その期待に応えるためには、保育所や保育士には何が求められてくるのでしょうか。次回のブログで考えてみたいと思います。
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